平成26年5月の法人税務についてのお知らせです

減資による欠損填補と損失処理

欠損填補とは:資本剰余金と利益剰余金の合計額がマイナスの状態を減資により填補することをいう
損失処理とは:繰越利益剰余金のマイナスの状態を解消するため、その他資本剰余金を取崩すことにより填補することをいう。

<減資の例>

A 社は株主総会で次の決議をした。

減資の決議(資本金を100減らし、その他資本剰余金とする決議をした。)
損失処理の決議(繰越利益剰余金マイナス100をその他資本剰余金で填補する決議をした。)

【会計処理】

欠損填補の処理
(借方)資本金 100 (貸方)その他資本剰余金 100
損失処理
(借方)その他の資本剰余金 100 (貸方)繰越利益剰余金 100

【税務上の考え方】

減資による欠損填補は出資を払い戻す取引ではない。
損失処理は、留保利益を株主に還元する取引でもない。

従って、資本金額は減少しますが、税務上の資本金等の額と利益積立金額は減少しない。